2010年代

2012.10.04

Bloggerに引越し(2012年)

Meatloaf08
blogを引越しします。

 この日記は、最初はSo-netのホームページで始めて、次にこのNiftyのココログに移行してチマチマとやっていたのですが、今度はBloggerに少しずつ引越ししようかなあと思ってます。

Bloggerのアドレスはこちらです↓
OLマリコの映画の食べ物日記
http://officeladymariko.blogspot.jp/

 せっかく書き込んでいただいたコメントとお別れするのがさびしいのでココログも残します。

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2012.04.24

メランコリア(2011年)

Meatloaf02
キルスティン・ダンストはミートローフを食べて吐く。

 初めて見たラース・フォン・トリアー監督作品は、デートで映画館へ見に行った『ヨーロッパ』。その後も話題作は見ているけど、キリスト教や古典やヨーロッパの歴史などの知識があんまりないのに見てもしょうがない内容が多いのと、女いじめが過ぎるのとで、ラース・フォン・トリアー監督作品は気軽には見に行かないようにしていました。しかしこの『メランコリア』に関しては、「ラース・フォン・トリアー監督作品が大っ嫌い!!!」と公言している町山広美さんと山崎まどかさんが絶賛していたのが面白かったので、日比谷のみゆき座に見に行きました。私が見に行った後に早々と上映は終了しちゃったようですが、なんとなく心配した通り、「鬱々してる自分勝手な“不思議ちゃん”が地球の滅亡を予言し、言った通りに惑星が地球に衝突しそうになってから妙に張り切る困った映画」と多くの人が思っちゃったのが不入りの原因? 私はたいへん楽しく見ました。


Melancholia
メランコリア(DVD)


 


 結婚式の当日を迎えた新婦のジャスティン(キルスティン・ダンスト)は若く美しく広告代理店に勤める優秀なコピーライター。ハンサムで優しい新郎のマイケル(アレクサンダー・スカースガード)にも心から愛されています。姉のクレア(シャルロット・ゲンズブール)とその夫のジョン(キーファー・サザーランド)が所有する美しい城館で行われる結婚式は、なんの問題もなく始まったかのように見えました。ところが、ジャスティンは鬱病の症状がどんどん悪化し、おどけてばかりの父(ジョン・ハート)は頼りにならず、変わり者の母(シャーロット・ランプリング)は勝手な行動を取り続け、式は混乱に陥っていきます。そんな中、赤い星アンタレスが消え、惑星メランコリアが地球に異常接近し……という物語です。


 


 主人公の家族からして国籍も歴史もまったく想像できないメンバーであるところが笑っちゃっうのだけど、広告代理店の上司と後輩との会話も薄っぺらで、いつものラース・フォン・トリアー作品と同じように現実味はゼロ。それでも映像の素晴らしさは有無を言わせず、キルスティン・ダンストは輝くばかりに美しく、女をいじめていじめていじめ抜いて堕ちるところまで堕とすいつものラース・フォン・トリアーとは違っていました。



 なぜトリアーは女いじめをやめたのかというと、数々のインタビューで彼自身が答えているように、欝病に苦しむ自分を女主人公に投影したからです。ではなぜそれが惑星や女性や予言や世界の終わりのイメージになるのかというと、それはトリアーが発明したわけではなく、ヨーロッパには土星とメランコリー気質(憂鬱症)を関連づける文化があるからで、ミルトンとかキーツとかデカルトとかフーコーとかを読んでいる賢い人には常識なのかもしれないけど、私は若桑みどり先生の著書でたまたまそんな話を読んでいたのでワクワクしながら見ました。


 


 せっかくなので、この機会にエルヴィン・パノフスキーらの共著『土星とメランコリー』やミシェル・フーコー著『狂気の歴史』も読んでみたら、トリアーがインスピレーションを得たと思われるイメージや論考がいっぱい詰まっていました。ということは映画に出てくる食べ物もきっと、はっきりしたイメージを持って撮られていたに違いありません。


Melancorias
土星とメランコリー―自然哲学、宗教、芸術の歴史における研究


 ではジャスティンは何を食べていたのかというと、姉のクレアが自分のために用意してくれた好物のミートローフをひとくち食べて「灰のようだ」と言って吐いてしまう一方で、ベリーのジャムは瓶に指を突っ込んで貪り食べます。惑星メランコリアが地球に接近する朝も、姉が焼いてくれたパンケーキには手をつけず、コーヒーを飲んでいました。結局、ジャスティンが食べていたのは、ベリーのジャムやチョコレート、コーヒーなど黒い物ばかりです。これは、古代からメランコリアが「黒胆汁」という意味であることや、アリストテレスらが「黒い葡萄酒が、他のなにものにも劣らず、人を憂鬱症の人間と同じような性格にする」と書いていることに関連づけてあるのでしょう。私はゴマもチョコレートも黒酢も黒豚も好きだけど、欝気質じゃないので、ミートローフを作ってみることにしました。


 


 ミートローフの起源は紀元前五世紀のローマまで遡れるとされ、アピキウスの『料理大全(De Re Coquinaria)』には、ウサギのひき肉と、松の実、アーモンド、胡椒、卵などを混ぜて豚の大網膜で包んでオーブンで焼く、「LEPOREM FARSUM」というミートローフに似た料理が掲載されているそうです。これがドイツのミートローフ、Falscher Hase「偽うさぎ」になり、アメリカやイギリスのミートローフになったとのこと。そのアピキウスも著書の中で「黒い鳥や黒い魚を食べるとメランコリア(黒胆汁)が増える」と書いています。ミートローフが印象的に映画に登場するのはメランコリアが誕生した古代に思いを馳せて? それともジャスティンやクレアや城館のイメージの元になっていると思われるサド侯爵の『悪徳の栄え』の睾丸の挽き肉や少年の尻の肉のイメージ? 



 イギリスの『ビートン夫人の家政読本』(一八四七年)にもアメリカの『The Boston Cooking Shool』(一八九六年)にも、ミートローフは「Veal Loaf」という料理名で掲載されていて、両方ともロースト済みの肉を材料に使っていることに驚きます。きっとローストビーフの残り物を活用するための料理になっていたのでしょう。わが家ではシンプルにパセリ、塩胡椒、牛豚の合いびき肉、つなぎの溶き卵を混ぜて、二〇〇℃のオーブンで三十分焼いて、ケチャップをかけて食べたらとても美味しかったです。

fastfood ビートン夫人のミートローフ

【材料】
・冷たいローストした子牛肉をよく挽いたもの 1lb
・ソーセージミート 1/2lb
・パン粉 2tbs
・グレービーもしくはスープストック 少量
・卵 1個
・塩コショウ

【作り方】
子牛とソーセージミートとパン粉を混ぜ、塩コショウでしっかり味付けし、卵を加える。よく混ぜて、グレービーもしくはスープストックを少しずつ加え、十分にしっとりするまで混ぜる。短く厚い円筒形にして、小麦粉で軽く覆う。もしくは節約しなくていい場合は、卵とパン粉でくるむ。中火のオーブンで1時間焼き、時々熱い油をかける。出来上がったら、熱いままでも冷めても食べられる。熱い状態で食べるときは、美味しいグレービーか味に合うソースを添えよう。

bookイザベラ・メアリー・ビートン著 『MRS. BEETON'S BOOK OF HOUSEHOLD MANAGEMENT』より



fastfood 『The Boston Cooking Shool』のミートローフ

骨に沿って切って、子牛の膝をバラバラに分ける。水分をふいて、脂肪の無い1ポンドの牛肉とタマネギ1個を鍋に入れる。沸騰した水に浸し、牛肉が柔らかくなるまでゆっくり加熱する。水気を切って牛肉をよく挽いて、塩コショウでしっかりと味付けする。型の底に固ゆで卵のスライスとパセリを並べる。肉の層、薄くスライスした固ゆで卵の層を置き、よく刻んだパセリを散らして、残った肉で覆う。上から1カップ以下の酒を浴びせる。押して冷やして固まったら、お皿に開け、パセリで飾る。

book ファニー・ファーマー著『The Boston Cooking Shool』より



 ミートローフから黒いベリー、ブリューゲル、ゴヤ、オフェーリア、サド、トリスタンとイゾルデまで、先人たちのイメージを拝借しているトリアーをいけすかなく思うかと言えばそんなことはありませんでした。古代から中世においては星に定められた不幸な運命とされていたメランコリー気質は、ルネサンスでは不吉な星から解放され、知的で思索に向いている天才の気質とされたけれど、ジャスティンはさらにその上を行き、星に支配されるどころか星と一体化し、世界まで滅ぼしてしまいます。闇を背に橙の光に包まれて緑の芝の上を花嫁姿、湿った暗い岩の上で星に呼応して青光りする裸体が美しいジャスティンの狂気の物語は、豊かで感動的でした。この映画も、トリアーが引用しまくった狂気のイメージの歴史に、新たな素晴らしい一作として加えられるんじゃないでしょうか。


 


 

  

 


 

 

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2012.04.06

ヤング≒アダルト(2011年)

Doughnuts02
メイビスが最後に食べるのはココナッツフレークをまぶしたドーナツ。

 昨年、仕事の関係でTVドラマ「ユナイテッド・ステイツ・オブ・タラ」を見なければならない機会があり、参考のために、同じくディアブロ・コディが脚本を書いた映画『ジュノ/JUNO』も続けて見たら、すっかり彼女のファンになってしまいました。人生においてマイナスとしか思えない事柄も(多重人格症や未成年の妊娠)、意外とマイナスじゃない、もしかしてかえってプラスかも? と思えるような、彼女が描く「幸と不幸の境目がなくなる瞬間」が大好き。というわけでディアブロ・コディの新作が来たら映画館に見に行こうと待ちかまえていたら、ジェイソン・ライトマン監督『ヤング≒アダルト』が封切られたので先月、見に行ってきました。楽しみに思うのと同時に、主人公が「もう若くない田舎出身の負け犬女」と聞いて、「もう若くない富山出身の負け犬女」としては「どれどれ(お手並み拝見)」という気分で見たのも本当のところです。


 


 若者向けシリーズ小説のゴーストライターをしているメイビス(シャーリーズ・セロン)はミネアポリスに暮す三十七歳。かつて人気だったシリーズも終了が決定し、浮かない気持ちで最終回を執筆する日々を送っていました。そんな彼女のもとに、元カレのバディ(パトリック・ウィルソン)から赤ちゃん誕生のメールが届きます。最終回の恋の結末の構想を練りつつ、パッとしないデートをした翌朝、運命の恋人を取り戻さなくてはならない気分になったメイビスは、故郷のマーキュリーへと車を飛ばします。さっそくバディと再会し、彼にまだ自分への思いが残っていることを(勝手に)確認したメイビスは、元いじめられっ子のマット(パット・オズワルド)の制止をふりきって、バディの妻のベス(エリザベス・シーサー)のバンド演奏会、赤ちゃんの命名式と誘われるまま突進し……というコメディです。



 都会に暮す業界人なんだけど、ニューヨークではなくミネアポリス住民。人気シリーズを手がける作家なんだけど、名前は表には出ないゴーストライター。オシャレでゴージャスな美女なんだけど、酔っ払って化粧をしたままベッドになだれ込むだらしない独身女。そんなメイビスに呆れるより共感できるところが多すぎて、大笑いしながら見ました。よほど性格のよいエリートでない限り、彼女くらいの欺瞞と傲慢は誰にでも思い当たるところがあるのでは? ダイエットコーラの2リットルペットボトルを常飲しつつも、アイスクリームやクッキー、ブラウニーなど甘いものを食べまくる、というのも私が日々やっていることと同じ! 女性の「甘いもの&ダイエット生活」を白日の下に晒してみると、メイビスに劣らないクレイジーな話はゴロゴロ転がっているはず。甘いものひとつとっても、ディアブロ・コディの目の付けどころは面白く、彼女が描く「もう若くない田舎出身の負け犬女」は期待を裏切らない楽しさでした。



 欺瞞と傲慢にまみれたメイビスは、映画が終る頃には改心して何かを得る? 成長して故郷を去る? 予想とまったく違って、最後に待っていたのは、ちょっと震えるくらい感動的な結末でした。あのラストシーンのシャーリーズ・セロンが観客に与える勇気と力強さを何かにたとえるなら、今村昌平監督『豚と軍艦』のラストシーンでひとり横須賀から出て行く吉村実子のガッツに匹敵すると言いたいです。そして最後にシャーリーズ・セロンは今までと変わりなくココナッツフレークがふりかけられたドーナツを口にくわえたまま車を発進させます。何故しつこく最後までメイビスは甘いものを食べるのかというと、彼女は相変わらずだらしない女で、自分の欲望に正直な女で、だからこそ他人の欲望も認める女で、他人に同情するなんて失礼なことは絶対にしない女だからです。



 シャーリーズ・セロンのガッツに敬意を表し、人生初のドーナツを作ってみることにしました。しかし私が食べたことのある手作りドーナツというと、子どもの頃に母が作ってくれた、余ったホットケーキミックスを丸めて揚げ、砂糖を入れた紙袋に入れて振る、という「穴のあいてないドーナツ」だけです。ドーナツが出てくる映画はたくさんあるのに、レシピはもとより、ドーナツはいつごろから食べられているのか、刑事がドーナツを食べる映画が多いのは起源となった作品があるのかなど、わからないことだらけ。そこでアメリカの料理について調べるときは必ず目を通すファニー・ファーマー著『The Boston Cooking School』をパラパラ見てみると、一八九六年版には三種類のドーナツのレシピが、一九一八年版には五種類のレシピが掲載されていました。少なくとも一九〇〇年頃には既に、ドーナツは定番のおやつだったことが想像できます。



 一九一八年版の五種類のドーナツは、Wheatless Doughnuts(ライ麦のドーナツ)、Raised Doughnuts(イーストを使ったドーナツ)、Doughnuts1(小麦粉と牛乳のドーナツ)、Doughnuts2(サワークリームとタルタルクリーム=酒石酸水素カリウムを使ったドーナツ)、Doughnuts3(ケーキのように黄身と白身を分けて泡立てたドーナツ)。初心者は最もシンプルなDoughnuts1に挑戦してみることにしました。オリジナルの量では多過ぎるので、その半量で試しましたが、初挑戦には初挑戦なりの試練が。オリジナルの量で作っていたら、とんでもないことになっていただろうとわかるのは後になってからでした。掲載されていたレシピは下記の通りです。

cake 『The Boston Cooking School』のドーナツ

【材料】
・砂糖 134g
・バター 30g
・卵 3個
・牛乳 240cc
・ベーキングパウダー 4ts
・シナモン 1/4ts
・挽いたナツメグ 1/4ts
・塩 1と1/2ts
・小麦粉 427g


【作り方】
バターを室温でやわらかくして1/2の砂糖を加える。ふんわりするまで卵をよくかき混ぜる。残りの砂糖を加え、先ほどのバターの混合物と混ぜる。3と1/2カップの小麦粉、ベーキングパウダー、塩、スパイスを混ぜてふるいにかける。生地を平らにのばせるくらい十分に小麦粉を加える。混ぜたものの1/3を、打ち粉をした板に打ちつけ、少しこね、軽くたたき、1/4インチ(約6mm)の厚さに引き伸ばす。ドーナツカッターで型を取り、たっぷりの油で揚げる。串で刺して引き上げ、キッチンペーパーで油を吸い取る。ドーナツカッターで型を取った余りを、残りの生地の1/2に加えて平らにのばし、形を作り、前と同じように揚げる。それを繰り返す。ドーナツは早く油の上の方にあがってこなければならず、片側が茶色になったら、同じ温度を保ったまま、茶色の側を上にひっくり返されなければならない。もし冷たすぎるなら、ドーナツは油を吸収するだろう。もし熱すぎたら、ドーナツは十分に火が通る前に茶色になるだろう。油で試してやり方を習得しよう。

book ファニー・ファーマー著『The Boston Cooking School』の一九一八年版より


 オリジナルの半量の材料を混ぜ合わせてみると、ケーキの生地くらいのゆるさだったので、まずはレシピ通り小麦粉を足しました。しかし、足しても足しても生地はドロドロのままで、いつのまにかけっこうな量の小麦粉を足していることに気付きます(量は不明! これをオリジナルの量で作っていたらと考えるとゾッとするほどの量)。このまま調子に乗って足していると、カチカチのドーナツを何日間にも渡って食べ続けることになると思い、意を決してゆるい生地のままドーナツカッターでくり抜き、慎重に油に投入してみました。揚がったのは、ミスタードーナツのオールドファッションのように固くてどっしりした、パンのようなドーナツ。どこまでゆるい生地に踏み止まれるかに、やわらかいドーナツへの鍵が隠されているのでしょうか? そしてクリスピー・クリームのオリジナル・グレーズドのような、ふわふわドーナツを作るにはたぶんイーストを使わなくてはならないのでしょう。次にドーナツ映画を見たら、黄身と白身を分けて泡立てる生地にも挑戦してみたいです。



 メイビスの故郷である田舎町「マーキュリー」は架空の町だそうですが、彼女が住んでいるミネアポリスといえばプリンスの町、『パープル・レイン』の町です。伝説のライブハウス「ファースト・アベニュー」と巨大なショッピングモールがあり、大きな道路をバイクで走れば湖に到着します。すぐ隣には、スコット・フィッツジェラルドが生まれたセントポールがあり、『冬の夢』の舞台となったホワイトベアー湖も近いです。『パープル・レイン』やフィッツジェラルドの小説では、ちょっとさえないアメリカ中西部出身の男の子が、南部からやってきた情熱的な女の子と運命の恋に落ちますが、『ヤング≒アダルト』では、中西部にくすぶっているのは野心満々の中年女で、元カレがフィッツジェラルドの主人公のようにロマンティックにいつまでも自分のことを好きでいてくれると思ったら大間違いであることがよくわかります。しかし現代のミネアポリスの女は、ゼルダのように精神が崩壊することはなく、デイジーのように上流階級の夫の庇護のもとでしか生きられないことはなく、ジュディーのように醜く不幸になるのでもなく、もっとしぶといのです。やっぱりディアブロ・コディの作品は新鮮でガッツがあって、描かれている事柄やイメージ以上のものを喚起するので面白いです。これからも彼女について行きます!

 
 

 


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2012.02.16

哀しき獣(2010年)

Imo05
ふかしたジャガイモが美味しそうだった。

 二〇一〇年のバレンタインデーは、ナ・ホンジン監督の『チェイサー』の中であまりにも印象的だった韓国のアルファベットチョコレートが気になって、ネット通販で購入しました。見た目も味も日本のアルファベットチョコレートとそっくりで美味しかったです。そのナ・ホンジン監督の新作『哀しき獣』が公開されるということで、先月、新宿シネマートで見てきました。


 


 


 南に北朝鮮、東にロシアと国境を接し、人口の約六〇%が漢族(中国の大多数を占める民族)、約四〇%が朝鮮族(中国籍の朝鮮民族)の中国領「延辺朝鮮族自治州」から映画は始まります。朝鮮族のグナム(ハ・ジョンウ)は、妻の出稼ぎ資金を作るために大金を借りた上に、韓国へ送り出した妻からの連絡が途絶えたことでヤケになり、ギャンブルにはまって借金地獄に陥ってしまいます。借金返済のためにグナムがミョン社長(キム・ユンソク)から請け負ったのは、スンヒョン教授(カク・ピョンギュ)殺害という仕事でした。黄海を渡って韓国に密入国したグナムは、妻を探しつつ、綿密に殺害の計画を練りますが、決行のその日、二人の男が先を越して教授を殺害してしまいます。ところがグナムが警察とキム・テウォン(チョ・ソンハ)に追われることになってしまい…という話です。


 


 町にこびりついている匂いまで映ってるんじゃないかと思うような映画は、細かい説明など何もなくても、そこに生きる人物の陰影が深く複雑に見えるような気がします。ナ・ホンジン監督の映画は前作の『チェイサー』も他では見たことのないソウル、麻浦区望遠洞が魅力的でしたが、この作品でも主人公のグナムが巡る延辺、安山、加里峰洞、木浦、蔚山、仁川、釜山、報恩それぞれの町に目が釘付けになりました。現代とは思えない薄汚れた港町、セキュリティシステムもデザインも古臭いビルが建ち並ぶビジネス街、日本資本のコンビニが夜中も営業している繁華街を、何も喋らないグナムがひたすら駆けずり回るだけで、彼の人物像、ひいては韓国の全景まで見えるような気持ちになります。そして人と乗り物入り混じってのすごい追走劇も、無口で無表情なグナムが感情を爆発させるように暴走、クラッシュしまくるので、「ハデな見どころ」といった空疎さとは違うものを感じました。


 


 さて、前作『チェイサー』も食べ物が面白かったのですが、この『哀しき獣』も気になる食べ物がいっぱい出てきます。そろそろ本当に韓国に行きたいです。まずは「高級日本料理店」ということで何度も出てきた刺身の店が気になりました。なんだかまったく高級に見えなくて、「グナムの奥さんはこんなところで働いてたの?」とちょっと不安になるくらいなのですが、朝倉敏夫著・石毛直道監修『世界の食文化① 韓国』(農文協)を見ると、二〇〇四年の二月下旬~三月上旬に行われた食生活のアンケートで、あるインテリア企画会社社長(四十九歳・男性)が受けた接待と宴のメインメニューがすべて「刺身」となっているので、確かに刺身は韓国でもご馳走として認識されているみたいです。グナムが訪ねたあの店の怪しげな心細くなる雰囲気は、密入国して知らない土地をさ迷う男が見ている光景だったからに違いありません。


 


 コンビニで辛ラーメンを食べながら、隣で男性がソーセージを食べているところをうらやましそうに眺めていたかと思うと、カット後、グナムもちゃっかりソーセージを手にしているとか、屋台のオデンを食べながら人を待っていたかと思うと、待ち人が現れた瞬間に追いかけるついでにオデン串をもう一本持ってきちゃうとか、食べ物に見せるグナムの素直すぎる反応は、そこだけドタバタ喜劇のようで笑ってしまいました。殺人・捜索・逃亡の連続で張り詰めた空気が唯一和らぐところです。そして最後の最後、追われ裏切られボロボロになったグナムが腹一杯食べるのが、ふかしたジャガイモでした。単にふかしただけのジャガイモがこんなに印象に残る映画が他にあったでしょうか。当然、私もジャガイモをふかしてしまいました。


 


 最近、佐野真一著『あんぽん』があまりに面白くていっき読みして、孫正義と佐野真一のエネルギーにやられてしまったのですが、『哀しき獣』に描かれた韓国、密航、貧乏、民族差別といった題材からまた思い出してしまいました。三代に渡って孫社長の家系を粘っこく取材した約四〇〇ページの評伝と、数日間の逃走劇を題材にした百四十分の娯楽映画ではまったく違うのはもちろんなのですが、それでも、この映画にも『あんぽん』のような越境者のエネルギーを感じたのは確かです。また、ナ・ホンジン監督作品はものすごく男臭いのに、作品の隅っこに出てくる女性のことを登場人物がいつも気にしてチラチラ見てるのがとても好きなのですが、それについてはまた第三作目を楽しみにしたいと思います。


 


  

 

 

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2012.02.09

宇宙人ポール(2011年)

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イギリスの塩辛いジャムってマーマイトのこと? 

 グレッグ・モットーラ監督の『宇宙人ポール』を見に行った映画館のロビーに記念撮影用の顔抜きパネルがあったのですが、そこに自分の顔をはめる勇気はありませんでした。せめてパネルだけでも撮ろうと思ったら、その前でボンクラ男子三人組がえんえんと喋ってどいてくれません。気付いてくれないかなあと待つこと数分、映画館の人が気を利かせて男の子たちに声をかけてくれました。グレッグ・モットーラ作品に出てきそうな気の利かない男の子三人組がいる映画館なんて最高です。『スーパー8』はカップルばっかりで子どもが見たらいいのにねえと思ったものですが、『宇宙人ポール』は女の子二人組とかオジサン二人組とか、いかにも「笑いに来たよ!」という感じの同性グループの観客が多くて、微笑ましい雰囲気でした。


 


 全米最大のコミックイベント「コミコン」に参加するためイギリスからやってきた、SFおたくのグレアム(サイモン・ペッグ)とクライブ(ニック・フロスト)がカリフォルニア州サンディエゴに到着するところから映画は始まります。二人はついでにアメリカ西部のUFOスポットを巡る計画を立てますが、地元のチンピラたちに絡まれてしまい、逃げる途中で目撃した車の爆発事故の現場で本物の宇宙人ポール(声:セス・ローゲン)に遭遇する、というストーリーです。



 グレッグ・モットーラ作品は男の子がみんな優しくて、女の子もみんな「優しい男の子が一番いい」ってわかってるところがいいです。実際の男の子は、『息もできない』や『ヒーローショー』のように、ぶん殴ったり犯したりブッ殺したりはあんまりしてないはずで、優しくてイイ奴なのに臆病だったり小狡かったり幼稚だったりすることの方が身近な問題なのでないでしょうか。グレッグ・モットーラは、そんな若者の未熟ゆえのつまずきをネタに笑わせつつ、彼ら・彼女らの蹉跌と成長を愛情を持って丁寧に描くので、どの作品を見ても切なくて泣いてしまいます。特に『アドベンチャーランドへようこそ』は予想外に号泣してしまった大好きな映画でした。『スーパーバッド 童貞ウォーズ』も、日本では「男の子の映画」として紹介されていますが、女性も見たら楽しめるのになあと思います。アメリカであんなに大ヒットしたのは女の子も気に入ったからではないでしょうか? (二千万ドルの製作費で一億二千万ドルを超えるヒット) 


 


 セス・ローゲンが声優を務める宇宙人ポールは大変なお喋りで、おたくネタからセックス、宗教ネタまで軽口を叩きまくります。食べ物についてもとどまるところを知らず、グレアムとクライブのキャンピングカーの冷蔵庫を漁ってベーグルや紅茶について騒いだ後に、「イギリスの塩辛いジャムだ! すげー!」と言うシーンがありました。「イギリスの塩辛いジャム? 何それ?」と気になり、家に帰って調べたところ、それはどうやら「マーマイト」というもので、かなり好みの分かれる味らしく、イギリス人をからかう定番ネタになっているみたいです。通販サイトで買ってみようかなと思っていたら、ふと立ち寄った成城石井の棚にいっぱい並んでました。パンに塗ってひと齧りした結果は、ま、ま、ま、まずい…! 



 見た目はチョコレートペーストみたいなのですが、塩辛く、旨味成分が何も感じられません。靴墨に塩を混ぜたらこんな味がするんじゃないかと思うような味気なさです。ビール酵母から作られた発酵食品だそうなので、私には感知できなかった「旨味」がきっとどこかに隠されているのでしょうし、健康にはいいのでしょうが、二口目はどうしたって無理。マーマイトがどんな感じでイギリスで食べられているのか、他の映画で見たり小説で読んだことはないかなあと思ったのですが、いまのところ私の記憶の中から掘り起こすことはできませんでした。また探してみたいと思います。当然のことですが、まだまだ世界には私の知らない食べ物がいっぱいあるんだなあと、久々に実感させられました。


 


 


 


 


 

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2011.12.17

しあわせの雨傘(2010年)

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留守番を命じられたピュジョル氏が食べるのはキッシュ。

 先日、神保町シアターの「デビュー60周年 女優 岡田茉莉子」特集に行って、岡田茉莉子さまにサインと握手をしてもらいました。温かくて小さくてほっそりした手は、紛れもない美女の手。戦後の邦画黄金期に活躍した女優さんに握手してもらえるなんて生まれて初めてで今でも夢みたいです。サイン会の直前に見た中村登監督『集金旅行』(一九五七年)がセックスと金をネタに笑わせるフランスとかイタリアの映画のような大人っぽいコメディで素敵だったのでさらに感激し、ふと喜劇も悲劇も似合う女優・茉莉子さま主演で、フランソワ・オゾン監督『しあわせの雨傘』みたいに、大女優にリスペクトを捧げるコメディを撮ったらいいのになあと思いました。往年の映画女優はまだたくさんご存命ですが、茉莉子さまの過去作のパロディが一番面白いような気がします。『秋津温泉』の横移動のカメラや走りまくる茉莉子さまを思いっきりパロディの素材にしたようなコメディが見たい!? ちなみにカトリーヌ・ドヌーヴは一九四三年生まれ、ちょうど茉莉子さまの十歳年下です。


 


Syukin
集金旅行


 『しあわせの雨傘』の舞台は一九七七年。主人公のシュザンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は父が創業した雨傘工場(!)を継いだ婿養子のピュジョル社長(ファブリス・ルキーニ)のよき妻です。娘のジョエル(ジュディット・ゴドレーシュ)は旅に出てばかりの夫と離婚すると息巻き、息子のローラン(ジェレミー・レニエ)は芸術家志望で無職ですが、幸せな日々を送っていました。ある日、雨傘工場でストライキが起きてピュジョル社長が監禁されます。シュザンヌは昔の恋人のババン市長(ジェラール・ドパルデュー)の助けを借りて夫を助け出したものの、ピュジョル社長は疲労がたたって入院します。そこで夫が不在の間、シュザンヌが労働者と交渉して社長業を行うことになり…という話です。


 


 カトリーヌ・ドヌーヴが演じてきた女性たちを思い起こさせる内容になっていて(『シェルブールの雨傘』『昼顔』『終電車』『哀しみのトリスターナ』など)、コメディなのにシュザンヌに深みと説得力がありすぎて面白いです。しかもシュザンヌは、俗物の典型のようなブルジョワの夫とロマンチストすぎる左翼の市長、その二人に愛されつつ両方に貶められることで、彼女の「ブルジョワの妻」「貞淑な妻」「お飾りの壷」「闘士の恋人」といった肩書きや形容詞がどんどん剥ぎ取られ、単なる「女」になって自力で這い上がっていくところがまた面白いです。どれが本当の顔かわからないほどいくつもの顔を持っているが故に「女」としか言いようのない女、ってまさにカトリーヌ・ドヌーヴが何度も演じてきた役柄ではないでしょうか。セックスしまくる女性のことを、抑圧されて不満がたまりまくって心に闇を抱えているとしか描けない『恋の罪』の監督はフランソワ・オゾンの女性観をちょっと見習ってほしいです。


 


 裕福なピュジョル家にはメイドがいるのでもちろん奥様のシュザンヌは料理や配膳などはしないのですが、息子と喋りながらローストチキンに詰め物をするシーンがありました。もちろん台所には立たず、舞台はリビングです。そういう特別なごちそうの詰め物は奥様がやるという習慣があるのでしょうか? それともやはり、ピュジョル氏の朝食を運ぶシーンと同じように、メイドの仕事もこだわらずにやるシュザンヌの気さくな人柄の表れなのでしょうか。ちなみにアガサ・クリスティによる名探偵ポアロが主人公の短編集『クリスマス・プディングの冒険』(一九六〇年刊行)には以下のようなシーンがあります。七面鳥に何を詰めるかを決めているのは女コックのミセス・ロスです。

「それにしても、あなたは天才ですぞ、ミセス・ロス! 天才だ! あんなすばらしい料理を味わったのは、わたしも生まれてはじめてですぞ。あのカキのスープ--」彼は唇で表現たっぷりな音をたてた。「それから、あの詰め物。七面鳥の栗の詰め物、あれは、わたしの経験でも、まったく類のないものだった」
「あなたさまからそうお聞きしますのは、奇妙ですわ」とロスおばさんはしとやかに答えた。「あの詰め物は、特殊な料理法によるものなのでございます。もう何年も前に、一緒に働いていましたオーストリアの料理人から、教わったものなのでございます。ですけれど、あとのものは、ただの、正真正銘の、イギリス料理なのです」
(アガサ・クリスティー『クリスマス・プディングの冒険』早川文庫より)



 ローストチキンは真似して作るには大物すぎるので、シュザンヌに会社を乗っ取られたピュジョル氏が家で昼に食べる冷蔵庫のキッシュをわが家でも作ってみました。といってもフランス語がわからないので、まずは『ジュリー&ジュリア』でおなじみ、ジュリア・チャイルド著『Mastering the Art of French Cooking』(一九六一年刊行)をチェックしてみました。日本でキッシュがポピュラーになったのはここ十年のような気がしますが、アメリカではこの本が発売される頃には既に「作るのが簡単で食欲をそそる前菜」として知られていたようです。そしてサラダと温かいフランスパンと冷えた白ワインと一緒に食べることで、まさに「完璧なランチもしくは軽い夕食」になると書いてありました。


 


 もう一冊チェックしたのはアメリカ人のフードライターであるリチャード・オルニー著『The French Menu Cookbook』(一九七〇年刊行)です。この本は二〇一〇年にイギリスのオブザーバー紙が選ぶ料理本ベスト五〇の第一位に輝きました。キッシュは“形式ばらない春のディナー”の一品として紹介されています。メニューは以下の通り。そして量がちょうどよく思われたのでこちらのレシピを真似して作ってみました。しかし平たいタルト皿を使ったので卵液は大幅に余ってしまいました。卵は2個、生クリームはソース用1/2カップ、追加用1/2カップくらいに減らすか(それでも余るかも)、五センチくらいの深さのある型で焼くかをオススメします。また、海老は大好きなんですが、海老を食べて激しい運動をすると顔と手がパンパンに腫れて手のひらが痒くなるというアレルギー持ちなので、魚屋で白身魚のアラを安く買って出汁を取り、具は牡蠣にしました。あともったいないので牡蠣と炒めた後のミルポワも入れちゃいました。「真似して」と言いつつ、全然違いますね。


 


wine 形式ばらない春のディナー

●生野菜の前菜
ドライすぎずリッチすぎない軽い、若い白ワイン
プイィ・フュメ、プイィ・フュイッセ、シャートヌフ・デュ・パプ、サヴィニエールなど

●海老のキッシュ
ワインは上と同じ

●鶏の赤ワイン煮
古過ぎず立派な産地すぎない四~五年の古いバーガンディ(コート・ド・ボーヌ、ニュイサンジョルジュ、フィサンなど)
もしくはトゥーレーヌの赤ワイン(シノン、ブルグイユ) 
冷たすぎず冷やして飲むこと

●蒸し芋

●野生のグリーンサラダ

●チーズ
上と同じワイン
もしくはより古いバーガンディー
コート・ド・ニュイ(シャンベルタン、ボンヌ・マール、ヴォーヌ・ロマネ、エシェゾーなど)

●フラメリー・ラズベリーソース
ソーテルヌ
(リチャード・オルニー著『The French Menu Cookbook』より)


 


scorpius リチャード・オルニーの海老キッシュ

【材料】
●生地
・中力粉 2/3カップ
・塩 ひとつまみ
・バター 6tbs(3オンス)
・冷水 2と1/2~3tbs 

●フィリング
・ミルポワ 2 tbs(もしくはにんじん1本、中タマネギ1個、タイム、ベイリーフ、塩、こしょう、バター2tbsで事前に作る)
・新鮮な小さい海老 3/4パウンド
・オリーブオイル 1tbs
・塩、こしょう ひとつまみ
・コニャック 1tbs
・ドライの白ワイン 1/2カップ
・生クリーム 1/2カップ(ソース用)

・卵 3個
・塩、フレッシュな丸ごとの胡椒
・生クリーム 1カップ 
・小さいひとつかみのおろしたグリュイエルチーズ

【作り方】
・小麦粉と塩をふるいにかけたらボウルに入れ、サイコロ状にカットしておいたバターと指かナイフで混ぜる。バターは冷たく固いまま粉によく練り込み、ドロドロのピュレ状にならないよう気をつける。冷水を加えてネバネバのかたまりにしてサランラップで包み、二時間冷蔵庫にねかしておく。
・打ち粉をした板の上で生地の玉に打ち粉をして丸いパティの形にし、すばやく伸ばしてパイ皿かタルト皿に敷く。焼いている間に生地が変形しないようにフォークで生地を数箇所さして穴を開けておく。タルト皿に敷いたパイ生地の上にクッキングペーパーを乗せ、焼いている間に生地が膨らまないようにパイ用重石や渇いた豆、生の米などを置く。 15分ほど175℃~190℃で焼く。重石とクッキングペーパーを取り除いて、さらに3~4分焼く。

・海老を洗ってタオルで拭いて乾かす。まだ殻から取り出さないこと。
・フライパンでオリーブオイルを熱し、海老とミルポワ、塩、こしょうを加え、強火で海老が全面ピンクになるまで混ぜる。コニャックを加え、アルコール分を飛ばして混ぜ続ける。さらに白ワインを加え、アルコールがほとんどなくなったら火からおろして粗熱を冷ます。
・海老の殻を外し、殻の尻尾の部分を10~12個取り外す。その尻尾をすり鉢ですりつぶして生クリームを混ぜ、小さなソースパンに移して加熱する。沸騰したら漉し器に通す。残りの殻をすりつぶして取った汁も加える。
・海老を生地の端に並べて、残りの海老はカットしてバラバラにして並べる。

・ボウルに卵、塩、新鮮な胡椒、先ほど作った海老風味のクリーム、追加の1カップの生クリームを混ぜて、電動泡だて器でよくかき混ぜる。その生地を生地を敷いた皿に注いだら、表面にチーズを散らす。175℃~190℃で約30分焼く。焼いた後、約30分間、ドアを開けた状態でオーブンの中に置いてねかしたほうがいいかもしれない。熱々ではなく温かい状態で食べるのが好ましい。
(リチャード・オルニー著『The French Menu Cookbook』より)


Quiche03
映画の舞台と同じ70年代のレシピで作ってみた。


 


 


 


 


 

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2011.07.18

エクレール・お菓子放浪記(2011年)

Sasakama03
震災後初の、石巻の白謙の笹かまぼこ。

 石巻出身の友人のご実家から、白謙の笹かまぼこをいただいてしまいました。震災後初の笹かまぼこです。以前と変わらない味であることをありがたく噛み締めました。その友人にくっついて初めて石巻へ遊びに行ったときにブラリと散歩に連れてってもらったのが、石巻駅から岡田劇場までの道のりです。岡田劇場は幕末に芝居小屋として創業し、昭和二十三年(一九四八年)に映画館になった劇場で、友人が子どものころは岡田劇場で『ドラえもん』などの映画を見て、立町にある百貨店で買い物をし、食堂でチョコレートパフェなどを食べるのが“至福のコース”だったのだそうです。しかしその歴史のある映画館も三月十一日の津波で全壊してしまいました。五月末から東京で公開されていた近藤明男監督『エクレール・お菓子放浪記』の中に、その岡田劇場と日和山で撮影されたシーンがあると聞いて、先日、テアトル新宿で見てきました。


A-10(極上笹かま...

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価格:1,911円(税込、送料別)


 主人公のアキオ(吉井一肇)は孤児院からの脱走を繰り返し、感化院送りとなった少年です。厳しい感化院での彼の唯一の楽しみは富永先生(早織)がオルガンを弾きながら歌う「お菓子と娘」を聴くひとときでした。そんなある日、北海道へ嫁いで退職してしまう富永先生の推薦で、アキオはフサノ(いしだあゆみ)の養子になります。フサノはアキオを映画館で働かせ、アキオもフサノのために張り切ってフィルムの配達に精を出すのですが、事故で腕をケガしたことで自分が単なる労働力でしかないことに気付き、ショックのあまり家出してしまいます。そこからアキオの長い放浪生活が始まる、という映画です。



 昔はドラマ・アニメ・漫画でいっぱい見せられたのに、今ではなかなか見かけなくなった孤児が主人公の物語です。原作をちょっとだけ立ち読みしようと思ったら、シゲル少年の素朴な言葉で綴られたハードでバイオレンスな孤児の生活に引き込まれ、結局、最後まで読んでしまいました(原作の主人公の名前はシゲル)。子どもなのに明るくたくましく自立せざるをえないシゲル少年が心の奥に抱えるゾッとするような空虚に、この本の強烈な魅力、オリジナリティを感じます。空襲で恩人の遠山刑事が亡くなり、ショックのあまりおかしくなってしまったシゲル少年が、電話帳で「遠山」という家を探しては電話をかけて「もうすぐ空襲がやってきます」と嘘を言い、「あなたは誰ですか?」と訊ねられると低い声で「先日の三月十日の空襲で死んだ者です」と言って電話を切っていた、という狂気と稚気がグロテスクなハレーションを起こしているようなエピソードなど印象的なのですが、単に暗くて不気味なだけでなく、その遊びを繰り返すことで底なしの心の暗さを克服しようとする人間の不思議な強さのようなものも感じられて、妙に心惹かれてしまいました。


 

 
 善人か悪人かわからないフサノばあちゃんのキャラクターに『孤児ダビド物語』のベッツィ伯母さんのような魅力を感じないこともないし、波乱万丈の孤児の生活は『オリバー・ツイスト』みたいだし、出会う人々に必ず菓子にまつわる思い出があるところは食べ物好きにはたまらないし、もうちょっと面白い映画になったのでは? と私などは思ってしまいましたが、クレジットタイトルが流れると、お爺さんお婆さんが多かった劇場内に拍手が起きていました。比較のしようはないですが、この時期ならではの映画館の雰囲気があったのかもしれません。また、最近はお金と時間をムダにしないように人の評判を踏まえて映画館に行くことが多いですが、この映画については批評も目にしないし周囲で見た人もいない、完全に白紙状態の鑑賞で、そういう体験そのものも面白かったです。


Okada
二〇〇五年に撮影した岡田劇場。


 笹かまぼこは、仙台だとかまぼこの鐘崎が有名なのでしょうか。


 


 女川は蒲鉾本舗高政が無料で被災者に何万枚もかまぼこをずっと配っていたのが印象的です。私も石巻の白謙が営業再開していなかったとき、姉一家にここの笹かまぼこを送りました。


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2011.06.14

トゥルー・グリット(2010年)

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ルースターとラビーフが銃で撃ちっこするコーンドジャー。

 先日、自転車に乗って『トゥルー・グリット』を見て来ました。同じ原作を一九六九年にヘンリー・ハサウェイ監督がジョン・ウェイン主演で映画化した『勇気ある追跡』も好きなシーンがある作品でしたが、このコーエン兄弟監督版では原作のテーマがさらに明確にされ、そのぶん苦くシビアな後味が残る一方で、叙情性もぐっと上乗せされ、甘辛い味わいがより濃くなっていました。思えば、同じコーエン兄弟のリメイク映画『レディ・キラーズ』を見たのは、九段会館でした。あの頃は、あの奇妙にも見える帝冠様式の建物に入れたのがちょっと嬉しかったものですが、まさか地震であんな惨事が起きるとは思いも及ばなかったです。


 


 


 舞台は南北戦争からしばらく経ったアメリカ。十四歳の少女・マティ(ヘイリー・スタインフェルド)が、殺された父の遺体を引き取りに、アーカンソー州とオクラホマ州の境にあるフォートスミスにひとりでやってきます。父を殺した元使用人のチェイニー(ジョシュ・ブローリン)がお尋ね者のネッド(バリー・ペッパー)の一味に加わり、オクラホマの先住民居留地へ逃亡したことを知ったマティは、保安官のルースター・コグバーン(ジェフ・ブリッジス)を金で雇い、復讐の旅に出発することになります。そこへ別の事件でチェイニーを追っているテキサスレンジャーのラビーフ(マット・デイモン)も加わり、三人は危険な無法地帯へと馬を進めるのですが……という話です。



 『勇気ある追跡』は、意外と食べ物がいっぱい出てくる映画で、コグバーンと一緒に暮らす東洋人のチャン・リーが分厚く切るベーコンやコグバーン家でのビスケットと豆の夕食、マティが泊まった宿屋で供される団子と骨付きチキンのスープ、焼きっぱなしのスポンジにジャムらしきものを挟んだだけのシンプルなレイヤーケーキなど、アメリカ風な食べ物がどれも美味しそうでした。しかしうって変わって二〇一〇年版の『トゥルー・グリット』には食べ物がほとんど出てきません。それだけでなく、コグバーンの酔いどれ独身生活を、チャン・リーや「将軍」という名の猫と気ままに暮らす“ちょっとした理想郷”のように描くシーンもありませんでした。豊かな食べ物や楽しい共同生活の映像を徹底的に排除しているところにも、お尋ね者を追って暮らす州境の生活がそんなにいいものではないということを、リアルにシビアに描こうとするこの映画のトーンが貫かれています。


 


 そんななか、一九六九年版にも、二〇一〇年版にも出てくるのが、「コーンドジャー」というトウモロコシのパンでした。コーンブレッドのようにフワッとしたものなのかと思ったら、ジョン・ウェインが齧る音も、ジェフ・ブリッジズがバラバラとカバンから落とす音も乾いていて、いかにも味気なく固そうな食べ物です。調べてみると、古いアメリカ南部の料理書のいくつかにコーンドジャーのレシピが載っていました。だいたいのレシピはしごく簡単で、トウモロコシの粉に少量の塩を入れ、冷水を加えて混ぜて生地にし、形を作ってオーブンで焼くだけです。『勇気ある追跡』も『トゥルー・グリット』も丸いクッキーかパンのように見えましたが、料理書によると長細く作ることが多かったようです。珍しいものでは、塩豚とカブの葉を煮込んだスープに団子のように入れて加熱するレシピもありました。


 


 コーンドジャーが食べられていた十九世紀から時が経ち、HeraldNet.comの記事で紹介されているレシピは、油が入り、ベーキングソーダ、砂糖、バターミルク、バター、卵、ベーキングパウダーも入って、もっとリッチな味わいに改良されています。しかしせっかくなので私は、水と塩だけのレシピで作ってみました。当然まったく膨らまずカチカチです。しかし、この味、何かに似ている……。そう! 「とんがりコーン」にちょっと似ていました! しかし固く味も貧相で栄養価も低く、決して日常のおやつにするようなものではありません。


 


 


 

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2011.05.28

ブラック・スワン(2010年)

Grapefruit
ポーチドエッグとグレープフルーツでブラックスワンダイエット?

 かつて山岸涼子先生の『アラベスク』や萩尾望都先生のバレエマンガに胸を焦がした日本の女子の一員としては、気になって見に行かざるをえませんでした。監督はダーレン・アロノフスキー、主演はナタリー・ポートマンです。不幸も恥辱も痛みもほどほどで、見た後にゲッソリ・ガックリとボディにこたえるような重厚な傑作というわけではないのですが、「偏愛する一本」となりました!



 主人公のニナ(ナタリー・ポートマン)はニューヨークシティバレエカンパニーのバレリーナ。芸術監督のトマ(ヴァンサン・カッセル)が、ベス(ウィノナ・ライダー)に代わって新しいプリマバレリーナを抜擢すると発表し、普段は大人しいニナも密かに野心を掻き立てられます。新しいプリマが踊る演目は「白鳥の湖」で、ニナは清純な白鳥のオデットは完璧に踊れるものの、王子を誘惑する黒鳥のオディールをうまく踊れません。オーディションでの自分の踊りに納得できなかったニナはトマに直談判に行き、彼女の内面に眠る激しさを買われてプリマに抜擢されます。しかしバレリーナだった母(バーバラ・ハーシー)との二人暮らしで羽目を外すこともなく生きてきたニナには黒鳥の悪魔的な魅力が表現しきれず、ライバルのリリー(ミラ・クニス)の登場でさらに焦りを感じ、次第に妄想に取りつかれ……という話です。


 


 同じくダーレン・アロノフスキー監督の『レスラー』を見たときは、古今東西こういう映画はたくさんあるとわかっていながらも、マリサ・トメイが『あしたのジョー』の白木葉子や紀ちゃん、『どついたるねん』の相楽晴子に重なって見えてしまい、ダーレン・アロノフスキーは本当は日本人なんじゃないの? と思わずにはいられませんでした。そしてこの『ブラック・スワン』を映画館で見たときも、ダーレン・アロノフスキーは山岸涼子先生の『アラベスク』とか萩尾望都先生のバレエマンガとか名香智子先生の『PARTNER』とかをチマチマ読んでた日本の女の子だったんじゃないの? などと再び思ってしまいました。


 


 女の子が芸術の高みを目指すことで女性としても成長するマンガに少女時代は燃えましたが、『のだめカンタービレ』のような隠れた天才が目覚める話ではなく、特に天才でもない女の子が芸術の高みに足を踏み入れる一瞬を熱く描く昔の少女マンガが好きです。天才の凄ワザを堪能できることよりも、ひとりの人間が普段いるところとは違う高み、別のステージに足を踏み入れる瞬間を人前で披露することこそが芸術の素晴らしさだと思うからです。『ブラック・スワン』が描いたものも、私にとってはまさにオールドファッションな少女マンガ。陳腐でわかりやすい展開なのにハラハラドキドキ、最後はニナと一緒に昇天! 号泣してしまいました。


 


 


 最後までシラけることなく鑑賞でき、「達する」に十分な楽しさが、この映画にはたくさんありました。そもそも、怖がりの私は大半をビクビクと指の隙間から見ていたのですが、次に何が起きるかわからない怖さや痛さをニナと共に味わったからこそ、最後にナタリー・ポートマンと一緒に「イけた!」と言えます。だんだん爆笑の領域に入っていく過剰なCGも楽しかったです。そしてなんといっても豪華なキャストがパーフェクトでした。ナタリー・ポートマンがいいのは言うまでもないのですが、モニカ・ベルッチのような女性を妻に持つヴァンサン・カッセルはいかにも色悪がピッタリだし、ウィノナ・ライダーに堕ちたプリマが似合いすぎるのは誰もが納得するところ。さらに面白いのは、ニナの母親をバーバラ・ハーシーが演じている点です。若い頃にはマーティン・スコセッシ監督の『明日に処刑を…』で自由奔放なヒロインを演じ、ドレスから片乳がポロリとはみ出ても屁でもない豪快ぶりを見せつけ、私生活でもデビッド・キャラダインと未婚のまま一児をもうけ、年齢を重ねてからはヘンリー・ジェイムズ原作『ある婦人の肖像』の世にも恐ろしい女・マール夫人を演じた女優、バーバラ・ハーシー。そのようにすべてのキャストが役からポロリはみ出す説得力があり、作品に深みを与えていたように思われました。


 


 プリマになって焦燥を感じる前のニナの世界は白やピンクがフワッフワしてて少女趣味。それは映画に登場する食べ物も同様でした。母親が用意するグレープフルーツと卵の朝食には「グレープフルーツのピンクが可愛いわ!」 と二人でキャーキャー。プリマになったお祝いに用意されたケーキは「あなたの好きなバニラとイチゴのケーキよ」と母親が言うとおり、ピンクのバラや黄緑の葉っぱ、バレリーナのトッパー、銀色のアラザンで飾り立てられています。本当はそんな愛くるしいケーキを私も作ってみたかったのですが、クリームをバラの形状に絞り出すにはまだ修行が必要なので、グレープフルーツとポーチドエッグの朝食をバレリーナ気取りで食べてみました。どうやらアメリカでは“ブラックスワンダイエット”としてちょっとしたブームになったようです。しかし実は、映画の卵は白身がもっとトゥルトゥルしてたので、あれはポーチドエッグではなく温泉玉子だったんじゃないか?と睨んでいるのですが、実際はどうだったのでしょうか。そもそも西洋に温泉玉子はあるのでしょうか?


 


 卵を求めて図書館にフラフラ行ったところ、いつも目を通すラルースの料理辞典はなんと現在修理中でした。震災の影響がこんなところにも! ポーチドエッグは明治三十六年(一九〇三年)にエスコフィエが書いた料理書『エスコフィエフランス料理/Le Guide Culinaire』(柴田書店 角田明訳)にも「Oeufs pochés」という名前で掲載されており、古くからの定番の卵料理であることがわかります。水に塩と酢を入れて、卵を割りいれて、約三分間茹でるというレシピも今とだいたい同じです。しかし今では茹でた後の卵は冷水に入れますが、エスコフィエの本では茹でた卵を冷まして形を整えた後に、塩を入れた熱湯に入れておけとありました。今よりも昔は卵の雑菌が怖くて、しっかり火を通すことが重要だったということなんでしょうか? それともただ単に温かい方が美味しいだけ?



 一方、温泉玉子らしきものは『エスコフィエフランス料理/Le Guide Culinaire』の中に見つけられませんでした。西洋人が白身もトゥルトゥルで楽しみたい場合は、どうやら「Oeufs à la coque」「Soft Boiled Egg」と呼ばれる殻付きの半熟玉子を食すようです。宮崎駿監督『カリオストロの城』でカリオストロ伯爵が玉子のてっぺんの殻だけを取り除いてスプーンですくって食べていたアレです。ちなみに温泉玉子の場合は白身が固まりきらない六十五度~六十九度で約二十分茹でるというレシピですが、「Oeufs à la coque」は沸騰した湯で三分間茹でる→沸騰した湯で一分間茹でる→火からおろして湯の中に三分間入れておく→水を入れた鍋に先ほどの卵を入れて沸騰したらすぐに引き上げる、というわかりにくいレシピでした。それにしても密かに温泉玉子まで登場させるとは、ますますダーレン・アロノフスキーは本当は日本人なんじゃないでしょうか?


 


 


 

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2011.02.01

アウトレイジ(2010年)

Spaghetti03
石巻のヤリイカで作ったトマトソースのスパゲッティ。

 二〇一〇年の暮れも、宮城県石巻市からカニ様、イカ様、つぶ貝様など素晴らしい海の幸がわが家にやって来ました。そして『アウトレイジ』をレンタルDVDで見たら、國村隼がトマトソースのスパゲッティをすすっていたので、わが家でも頂戴したヤリイカ様でトマトソースのパスタを作って食べました。イカから出汁が出て美味しかったです。


 


 このように食べ物に一喜一憂してネチネチと日記を書いていますが、とあるTV番組でビートたけしが言っていた「食べ物について人前で美味いだの不味いだの語ることは本当はとても下品なことだ」という言葉を肝に銘じて生きています。北野武映画の食べ物の扱い方に見られるデリカシーは、食べ物についてそういう発言をする人ならではという気がします。しかし最新作『アウトレイジ』の食べ物は、『3-4×10月』のアイスキャンディーや『ソナチネ』のオリオンビールなどとはまた違う、過剰な大活躍ぶりを見せていました。それは『アウトレイジ』が過去の北野監督のヤクザ映画とは趣を異としていることと符合しているのでしょう。

 
 


 金子正次脚本・主演の『竜二』などが出てきた頃は人間としてのヤクザを描く映画が画期的だったんでしょうが、普通に暮すOLとしては、正直言うとそろそろヤクザのリアルな悲しさとか虚しさとかどうでもいいわ~、と思っていました。その点、『アウトレイジ』は登場人物や物語に深みがなく、有名俳優を典型的なヤクザのセリフ回しや暴力の型にはめて演技合戦を封印しているので、スターの存在感と次々と繰り出される報復の手立てをシンプルに味わって楽しむことができました。まるでジョニー・トー映画? 会席料理やバーベキューを振舞って権威を見せ付ける大親分、明らかに場違いなパスタとカプレーゼと赤ワインをふてぶてしく口に運ぶ俗物の組長、サンドイッチに添えられたポテトチップスを食べる狡すっからい刑事などキャラクターが食べ物で演出されてるところや、鈴木慶一の音楽もなんだかジョニー・トー風味。


 


 それにしても北野武映画の女性は、安っぽい美人か無垢なバカか必死で生きているブスしか出てこないので、いつもあんまりだよな~と思います。女性が見たい女性なんて一人も出てきません。しかし『アウトレイジ』にも出てきた、暴力のすぐ隣で、何が起きても見ないように巻き込まれないように、緊張で引きつった能面のような顔で固まっている、ブスで年増で地味な女たちだけはなんだか好きです。自分も理不尽なものに巻き込まれて腹を括ったとき、ああいう顔をしてるんじゃないかという気がしてなりません。


 


 最近のわが家のトマトソースは、オレガノをドッサリ入れるのが流行ってます。オリーブオイルも多めです。

noodle トマトソース
【材料】
・オリーブオイル 大さじ3
・玉ねぎ 1個
・トマト缶 1個
・にんにく 1片
・オレガノ 大さじ3
・ナツメグ 小さじ1
・ヤリイカ 好みの量
・塩 適量
・コショウ 適量
・水 煮詰まりすぎたら適度に加える

【作り方】
(1)鍋に玉ねぎとにんにくのみじん切りとオリーブオイルを入れて飴色になるまで炒める
(2)オレガノとナツメグを入れて混ぜる
(3)トマト缶を入れて30分ほど煮込む
(4)塩、コショウで味付けする
(5)ヤリイカを炒めてトマトソースと絡める
(6)パスタを加えてソースと絡める


 


 

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